20th Anniversary LATE BLOOMER SERIES 02〜BLUE SONG WITH BLUE POPIES〜@名古屋市千種文化小劇場(ちくさ座)
12月の短い東名阪ツアー「TOUR 08 LOSTMAN GO TO CITY」があまりにも良すぎて、もうしばらくピロウズライブはいいかな…と思っていた。なので今回のアコースティックライブには参加をかなりためらい悩んだ。でも20周年のAnniversary的イベント、そのシリーズ02と銘打たれているし、個人的な弾き語りは(さわおさんのみだけど)それなりに何度か開催されているが、バンドとしてのアコースティックライブはもう二度とないだろう、と友人らの後押しもあり参加した。参加してほんとうに良かった、「行きなよ」と背中を押してくれてありがとう。
自分でも嫌になるほど長いライブレポです。注意。
2月上旬も終わる10日、昼過ぎに友人と長野を出発。席あるし18:50頃までに会場入り出来ればいいね〜なんて気楽なことを言いながら中央道を南下する。18時半頃に最寄りの駐車場着。ここ駐車代100円/2h位で妙に安かった。今日の会場は行き慣れたライブハウスでなくごくごく普通の会館。外面は蔦に覆われていて(夜だったからよく見えなかったけど)荘厳な雰囲気が漂っている。
入場、物販・会場を覗く。物販は前回のツアー+新しいバスターくんTシャツ(黒)。Revenge KOBEのTシャツの胸のワンポイントで踊っていたバスターくんがでかいプリントになって前方に、バックはピロウズの3本剣マーク。あとヨーヨー、カサといった懐かしのアイテムも出てて在庫一掃か?と。年度末だしねー。
会場を左入り口から覗く。予想通り狭い。中央の円形部分の前方にステージとスピーカー、セット。残る円形部分には椅子が並べられている。それを囲むようにして後方の階段状の座席。ライブパワーさんは今回はチケットの座席案内係。私は今回3列目のPeeちゃん寄りの席。座って荷物を椅子下に押し込み、膝掛けして待つ。緊張から手の汗が止まらなくてハンドタオルを握りしめる。今日は首にかけられんし荷物になるしと思い、BUSTERSタオルは持参せず。
こういう座席有りのライブはコインロッカーの心配しなくていいし、ライブも座ってみるっていることが分かっていれば、普段しているメイクや髪型、動きにくくても構わない服・普段使いの底が薄かったりヒールがあったりする靴で来れて気楽。周りを見渡すと仕事帰りと思われるスーツ姿の男性もおられた。女性は私と同じようなスキニー+ワンピースとか、ブーツ+スカートとか、そんな感じだったかな(曖昧)。最近名古屋に来るときはライブのことが多くてあんまりおしゃれな格好ができなくて残念だったので、今日はその面でも嬉しかった。あと個人的事情だけど、普段はTシャツのBUSTERSもスーツだったりして、私の周りの男性は職種的にスーツは着ない方が多いので、スーツ姿に過剰に萌える(バカ)。もちろんピロウズTシャツの方もおられた。しかしあの場の雰囲気からはやはりTシャツ1枚+パンツでは浮いてしまうかなーと個人的には感じた。
今回のライブは席が少なめなためかFC先行も1人1枚のみ。つまり隣はまったく知らないひと。そのためか開場前の待機時間ですら場内は静まり返ってた。遠くの方のひそひそ話が響いて聞こえてきてしまうほど。BGMのピアノ曲、ライブへの期待で緊張してほとんど耳に入らない。いつもは少し踊ったりして気を紛らわすのに、慣れない。そんな空気を染める闇が段階的に場内を取り巻く、7時10分頃暗転しメンバー登場、ライブ開始。今回はいつものSEなし。
開演前から見えていたステージ上のセットは、床に咲いたたくさんの青い芥子の花(プランターにささってた)とキャンドル風ランプ。花もキャンドルもかなりリアルに作られてて、しばらくキャンドルの炎がイミテーションだと気がつかなかったほど。天井にはジャンデリア、ステージバックには紅いベルベットの幕。アンティークな雰囲気がよい。その前にドラムセットとウッドベース、白黒のエレアコ、白熊ペイントのエレアコ。ウッドベースの奥には箱状のものが設置されている。フライヤーとほぼ同じ感じの服装のメンバー。さわおさんの髪型が落ち着いている、ちょっとパーマ残ってたけどほぼ1年強前と同じ感じ。
「こんばんわ。今日は慣れないだろうけど、それはお互い様だから。」というさわおさんの第一声。緊張している顔。お互い様だろうが。そしていつも通り「いい夜にしたい!」と言い、始まった1曲目はSubhuman。全てが慣れないけどセット含めこの世界感は非常に好みで、ステージに見入る。
今日は座ってみるし、と、ちょっとメモ的なものを持参してたんだけど、サブヒューマンの途中で書くのを止めた。早。書いている場合じゃない、見ないとと思った。そして何よりも、さわおさんに見つかりそうで書けん!という近さ(笑)。贅沢な恐怖?みたいな。
C/W曲が2曲続き、3曲目はアルバム「PIED PIPER」の初回限定版に付属していたDVD限定収録の曲‘Texan Daily Life’。音源のポロポロしたギター音に色んな音が加わっている。音程が低い部分が唄いにくそうだったけど、初めてライブで聴いたので嬉しかった。
3〜4曲終わったところでMC。順不同・意訳ですが羅列。
- さわお「近いなー。前の方なんて恥ずかしいだろ?こっちも、そこばっかり見るのもアレだし、かといって無視するわけにもいかないしなぁ。」
- 「あらためて見ると、狭いなー。ってかすっげーこっち見てる…」
- 「噂では物販も静まりかえってたってホントか?(笑)」
- 「今回チケット高かっただろ?それでもこのツアーは赤字ツアーです。この花(セットの青い芥子の花)だけで100万円します」
- 「青い芥子の花って元々無いからさ、一から作らないといけなかったんだ。全ては僕の自己満足の為だけに(笑)。この蕾、可愛いよなぁ…。」
- 最前列のBUSTERSタオル持った客を見て「…君、そのタオル今日使わないだろ?俺も一応持ってるけど、使わないなぁ」
- さ「真鍋くん使った?」
- P「さっき指を拭きました」
- さ「今日物販でタオル売ってないだろ?」
- オ「売ってるよー」
- さ「(爆笑) どんだけ必死なんだ、この赤字ツアー」
Peeちゃんの白熊ギター良かったな。スタンディングライブの時の色気MAXな真鍋さんとはまた違う、ギターのプレイスタイル。ファニーな模様のギターだけど足元にはエフェクターが多種あった。NINE MILESさん仕様ですね。Peeちゃん単独で弾き語って欲しい!さわおさんのギターについては自ら「どこまで白黒が好きなんだ、俺」という内容のことを言っていた。Wake up!Tourの時‘BOAT HOUSE’を演った際、事務所にねだって買ってもらった30ウン万円もするギターを使ってて(シルバー・長野のライブ時は熱気で曇ってそこにバスターくん描いてたな)、今回はそれを塗装し直したのかなーと思ってたら、「見た目だけで買ってもらった、5万円!」と暴露。嬉しそうでした(笑)。アコギだと思ってたけどエフェクターあった、2個くらい。途中でそれらを踏む音が聞こえてきてて、「あるんだー?」って思って終演後確認してしまった。
淳さんのウッドベースについて。
- さ「しかし淳はいきなりウッドベース買わされてるしな」
- 「午前中に買って来いと言われ購入し、午後にはちょっと録ってみようって録音してたからな」
- 「時々キーンって音が入りながら(笑)」
- 淳「言わないでよ…」
- さ「今回異様に個人練習入ってたもんな」
- 淳「必死ですから!」
淳さんのしっとり弾くウッドベースが本当に見慣れない。途中で弦を弾く弓も出てきてたし。私が過去ライブで観たウッドベースはファンキーなバンドばっかりだからかなー(ちなみにミドリと間々田優)。ミドリのとっつぁんなんて踊りまくってるしw Across The Metrpolice時は弓で弾きながらコーラスしててちょっと大変そう。このライブ中に顔をタオルでガシガシ拭いてたのは淳さんだけでした、多分。
Across The Metrpoliceの前にゲスト登場。ピロウズのライブにゲスト登場なんてレアだなー。ゲストミュージシャンはテルミン奏者・ロムチアキさん。ウッドベースの裏に設置されてた箱状のものは楽器・テルミン!奏者のロムさん、小柄で可愛い印象の女性でした。個人的にテルミン奏者って(勝手な思い込み・のだめの影響大)髪型フリーダムな芸術家って思いこみがあったので意外だった。
- さ「テルミンって知ってる?」
- 頷くオーディエンス
- 「でも生で聴いたことなんてないだろ?楽器に手を触れずに音を出すという不思議なものなんだ」
私ももちろんテルミンの生演奏を見るのは初めてで、手どころか爪先の微妙な動きで音を出す姿が不思議だった。湿度とか温度とかでも微妙に変わるんだろうなー、すごいなーとピロウズを見ずにロムさんガン見。
そしてオケ楽器と思ってたのにロックに融合されてしかも合う。テルミンを導入したバンドのセンスもすごい。序盤の数曲(どの曲とどの曲だったかは失念)と後半の「Our love and peace」〜「ONE LIFE」をセッション。Our love and peaceの“♪Nobody can understand life story〜”の部分がテルミンの無気味な音(注:褒めてます)とマッチしていて、本当に良かった。このライブのLive音源リリースされたらこの曲ヘビロテするだろうな。
12月のロストマンツアーに引き続きレア曲多数だったセットリスト。さわおさんも「今日はレアな曲をたくさん演るから、最初に曲名を言ってから演奏に入るから。その時に盛大に拍手をもらえると非常に演リやすい(ニヤリ)」と言っていた。普段だとそんな風に言われると逆に拍手したくなるへそ曲がりな私ですが(笑)、今回は感謝をこめてしっかり拍手しました。「次もライブでかなり久し振りに演る(→レッサーハムスターの憂鬱)」「この曲はライブで初めて演る…と言ったらマニアの頭にはすでに何曲か浮かんでいると思うけど(→プラスチックフラワー)」といったMCが多かった。ずっとライブで聴きたかった「New year's eve」!大晦日じゃないけど嬉。どの曲も音源の雰囲気を生かしたもの、アレンジされたもの。しかしいい詞ばっかだよなー。珠玉の曲達の世界にじっくり入り込める、幸せな時間。
過去の曲をアレンジしたものだけかと思ったら新曲を2曲も披露。「次は、3〜4年前に作ってそのまま放っておいた曲を演ります。みんなにとっては新曲ってことになるのかな。チェルシーホテル。」というMCののちに演られたチェルシーホテル。東京のライブハウスの名前ですね。きっと何か所以があるんだろうなと思って聴いていた。歌詞を相当間違えて唄ってたようで、演奏後にさわおさん「新曲だからみんなは分からなかっただろうけど、すげー歌詞間違えてたなー。気づいた?」とPeeちゃんに聞いてたし。Peeちゃん「ハイ!」ってはっきり言い放ってた(笑)。ラストの曲については後ほど。
そしてカバー曲コーナー。
- さ「次はカバー曲を演ります。今日は、後ろにしんちゃんがいるので変な感じだが、The ピーズの結構最近の曲‘犬ゾリ’をやります。ハルくんの詞はねー、こう、言葉は下品で僕とは真逆なんだが、下品な歌詞の言葉の合わせ方が素晴らしい。上京した頃、すごく憧れたな。憧れたし、影響を受けたと思う」
- そして犬ゾリ。ピーズ!ってだけで嬉しかった。たくさんのバンドの中で私がいちばん好きなVo.の声は大木温之の声だし。あのかすれたカンジが良いのです。ベースボーカルってとこも良い。
- でも最近の曲はあんま聴いてなかったが、カバーバージョン聴くとまたオリジナルが聴きたくなる。原曲まだ聴いたことないなー。今度会場でCD購入しよう!
- さ「次は、佐野元春さんの曲から‘コヨーテ海へ’という曲を演ります。佐野さんはね、僕の中学生の頃からのロックンロール・アイドルだな」
- 佐野元春さんのカバーをするって言われ‘SOMEDAYかな、希望の橋かな、アンジェリーナかな’と知っている曲を想像したが違った。CDJ07/08で(ソカバンを見るという約束を蹴って)佐野さんのライブ見たなー。おっさんと思ってたのにすごくかっこ良くてみてよかったと思ったことを思い出す。
- さ「(カバー2曲終了後)いやー、カバー曲っていいね。楽していい曲が唄える(笑)。ピーズも佐野さんも、長いことやっているのに最近の曲もかっこいいってところが素晴らしいよな! 歌詞を間違えずに唄えて安心したよ」
- カバー曲を演ると聞いて洋楽をすると何となく思ったので、邦楽カバーとは意外。後にリリースされるというこのツアーのDVDにカバー曲も収録されると嬉しいな。著作権とか色々あるんだろうけど‘つよがり’は収録されたしOKになりますよーに。
- ‘つよがり’と‘ストレンジカメレオン’のように交換条件的な大人の事情(が有るのかも不明だが)があるんなら、ピーズもライブで‘巴里の女性マリー’を演ればいいじゃんねー、ってかそれすごい聴きたい!!
ライブも終盤に突入。前述した通りOur love and peaceがすごく良かった。最後に「次は、僕たちは今年結成20周年なんだが、って何度も言っているが、メジャーデビューは1991年の5月21日にしたんだ。その日にはあまりこだわってないが。‘雨に唄えば’っていう曲でメジャーデビューした、そのカップリングの曲を次に演ります」という紹介の後に「君と僕とお月さま」。セルフカバーアルバムである‘TURN BACK’に収録されているこの曲がデビュー曲C/Wなんですね。そしてONE LIFE。青い芥子の花のセットと曲、すごい情景だった。最後♪ジャンッって弾ききってすっと立ち上がってスッと帰っていく様子がかっこ良かった、立ち上がったあと足元ふらついてたけど。2時間近く座って演奏するのも大変だろうな。
本編中にふと場内を見上げて後ろの方のオーディエンスを見てたPeeちゃん。その瞬間にさわおさんに話を振られて裏声で返事しててそこをすかさずツッコまれてた。アンコールで出てきた真鍋さんが腰を伸ばして“腰イタイー”的なポーズしてオーディエンスに笑いかけてて萌える(バカ)。今日も素敵です…!!!
アンコールの曲は「WANT TO SLEEP FOR」!! 嬉!! アコースティックバージョンとは思えないファンキーなアレンジ。この曲の存在を知ったのがDVDの“Walkin'on the spiral”のBGMで流れてたからで、耳コピで歌詞「雑踏の中を静まりかえった水面のように」という部分を聞き取って歌詞サイトで検索したけど曲タイトルが分かんなくて、それでも音源を探してTURN BACKを購入した2〜3年くらい前のことを思い出してた。
演奏後メンバー退場。オーディエンスの拍手鳴り止まず。ダブルアンコールはさわおさんが一人で登場。「あまりレパートリーがないからな」と言って、バンドの20周年を意識して書き上げたという曲‘雨上がりに見た幻’を「弾き語りするよ」といって披露する。歌詞は覚えられなかったが足跡というキーワードがたくさん出てきた。バンドの歴史とメンバーに対する感謝、そしてこれからのことを凝縮したような唄の内容で、スケアクロウよりもストレートにそれらが表現されていた。弾き語りとは思えない熱唱とギターの弾きっぷり。拍手の後しばらく興奮の残る静寂に包まれる会場。オーディエンスの多数が感動に包まれていて、そしていつもなら「サイコー!!」とか叫べるのに今日はそういうライブじゃないし、その空気と余韻が漂う、不思議な終演後の空気だった。“雨上がりに見た幻”、弾き語りにはもったいなすぎる、早くバンドアレンジで聴きたい。
そし私自身ももちろん曲に感動、終わった後友人に声をかけられるまで動くことができず。それほどに素敵なライブだった。メンバーがステージに残ってたらスタンディングオベーションしたかったなー。誰も残ってなくて客電点いたので、ステージ付近によってセットをじっくり観る。そして何度もライブに足を運んでいる中で初めてアンケートを記入して、帰路に着く。
来たことを後悔しない素敵な夜でした。ピロウズはこの形態のライブでも活動してゆけるんじゃないかしら、なんて思ったり。間違いなく私は行くな、こういうライブ、も。今回はどの会場も小さい所だったけど、生のギター音(エフェクター使ってたけど)を、アンプの音量を上げ過ぎない音でオーディエンスに聴かせたいから、こういったトコでやったんだろうな。赤字になると分かってるならそれを少しでも補填するために、モニターやスピーカーで音を増幅させて、もっとオーディエンス数が入るでかいトコでやるって選択肢もありそうな気がするのにそれを選ばない、そういうポリシーは嬉しかった。「今年はやりたいことを自由にやる年にさせてもらいたくてこういうライブを企画した」的なことを言ってたし、さわおさん。小さな会場はチケット争奪は大変になるけど、マニアックなセットリストのライブだし、ニーズはそんなでもないのかとも思ったり。オーディエンスも空気を読んで掛け声とかも出ず、ライブの雰囲気も非常に良かった。早くもDVDリリースが楽しみ。
そしてこういうライブを見たからこそ思う。ピロウズのライブハウスでのライブが好きだからこそ映えると思えるんだ、と。またライブハウスで汗だくでライブが観たい。年末に音人で言ってた『対バンツアー』、きっと何年か前のCHEMICAL BUMP SHOW!!を今年は演るってことだろうと勝手に思ってます。日程公表が楽しみー。
the pillows @ Nagoya Chikusa-za Set List(2/10)
- Subhuman
- She is perfect
- Texan Daily Life
- プラスチックフラワー
- MONSTER C.C.
- Across The Metrpolice
- チェルシーホテル(新曲)
- 傷跡の囁き 誰もいないパラダイス
- レッサーハムスターの憂鬱
- New Year's Eve
- 犬ゾリ(The ピーズ カバー)
- コヨーテ海へ(佐野元春カバー)
- Our love and peace
- さよならユニバース
- 君と僕とお月さま
- ONE LIFE
(EN.)
- WANT TO SLEEP FOR
(W.E.)
- 雨上がりにみた幻(新曲・山中さわお単独弾き語り)